小学校支援員はどんな人に向いている?仕事内容ややりがい、悩みについて解説
小学校の支援員について、どんな仕事をしているのかわからないという方や、小学校支援員の仕事に興味はあるけれど、自分は本当に向いているのか不安に感じている人も多いのではないでしょうか。小学校支援員の仕事は多岐にわたり、やりがいを感じられるときもあれば、悩みを抱えてしまうという方も多いです。
ここでは、小学校支援員の実情を知っていただくため、仕事内容をはじめ、やりがいや悩み、向いている人の特徴について解説していきます。
小学校支援員の仕事内容
小学校の支援員は現場でどのような仕事をしているのかご存じでしょうか?小学校の現場では、学校に通う児童が皆、クラスの中で不自由なく過ごせるわけではないという現実があります。何らかの障害を持っている子や、なかなか同じクラスの子と馴染めない子、教室にずっと居られない子、勉強についていけない子などさまざまです。
このような子どもたちのサポートをするのが、小学校支援員の仕事です。学校や地域によっては、介助員や特別支援員という呼ばれ方をする場合があります。
小学校支援員の支援の対象となるのが、大きく分けて個人の場合とクラスの場合があります。
個人の場合
個人を対象とする場合では、持病のある子や教室に居続けられない子、勉強についていけない子など、特定の個人に対して支援を行っていきます。
まず、持病のある子では、外的な環境要因によって精神状態が安定しない場合があるため、精神面でのサポートが必要になったり、危険がないか見守ったりする必要があります。
次に教室に居続けられない子については、じっとすることができず、教室から飛び出していく子や授業中に席を勝手に立ったり、他の子どもが勉強しているなかで邪魔をしてしまったりする子がいます。
教室から飛び出す子については、教室内に興味がいくように促します。また、席を立ち他の子の邪魔をする子に対しては、小学校支援員が真剣に子どもと向き合い、話をしっかりと聞いてあげます。
勉強についていけない子のなかには、読み書きが満足にできない子や、簡単な算数が理解できないという子もいます。このような子どもに対しては、長いスパンで辛抱強く向き合っていく必要があります。周りの子どもと比べるのではなく、抱える課題に対してその子自身ができたことや理解したことを認めてあげることが大切です。勉強に対して「できない」と苦手意識を抱えている場合があるので、それを上手に取り除いてあげることが小学校支援員の仕事です。
クラスの場合
個人ではなく、クラス全体をサポートする場合もあります。クラス全体が荒れているときや低学年のクラスの補助や支援学級の補助などが小学校支援員の仕事です。クラスが支援対象となる場合は、担任の先生のサポートが中心となります。そのため、クラスがどのような課題を抱えているのかなど、担任の先生と密に連携しコミュニケーションをしっかりととることが大切になります。
障害を持っている子どもや、何らかの問題を抱えている子は年々増加傾向にあり、学校現場において小学校支援員の存在は欠かせません。
小学校支援員のやりがい
小学校支援はどのような時にやりがいを感じるのでしょうか?小学校支援員のどんな仕事でも共通しているのが、「子どもの成長に関わることができる」という点です。
小学校にはさまざまな子どもたちがいます。体が不自由な子や勉強が苦手な子、じっとしていられない子など、こうした子どもたちは、自身の中で何かしら不安を抱えて学校に来ています。
自己嫌悪から、他者に対して反抗的になったり、性格が暗くなったりする子もいます。そのような子どもたちと真摯に向き合い、成長がみられたときにはしっかりと誉めてあげることで、子どもも明るく前向きな気持ちになっていきます。
こうした子どもの成長が、周りの子どもたちにもよい影響を与え、友達からも認められることで自己肯定感が高まっていき、今までやってこなかったことにチャレンジする精神が生まれてきます。小学校支援員として子どもと関っていく中で、できなかったことができるようになるといった子どもの成長が肌で感じることができるというのは、大きなやりがいが感じられる瞬間だといえます。
小学校支援員の悩み
小学校支援員の仕事は、楽しいことばかりではありません。時には辛いと感じるときもあります。
持病を抱えている子どもに対しては、医療的なケアが必要となる場面もあります。また、食事や排泄などの介助もあります。教室から飛び出してしまった子については、どこに行ったのか探しにいかなければならないということもあります。
日々起こるさまざまな事象やトラブルに対して、緊張感がありながらも、的確な判断と行動が必要となるため、大変さや辛さを感じる支援員も少なくありません。
日々生徒と慌ただしく向き合うなかで、担任の先生としっかりと話す時間が取れず、ようやく慣れてきたころに担任の先生が変わってしまうということもままあります。
小学校支援員は非常勤の公務員です。任期は1年で更新もできますが、仕事の大変さや労働条件の悪さから、更新を行わずやめてしまうという人も一定数いるというのが実情としてあります。
小学校支援員に向いている人の特徴
小学校支援員に向いている人はどのような特徴があるのかについて解説していきます。
子どものことが好きな人
小学校支援員は当然ながら、子どもと向き合う仕事です。子どもは正直で、相手にストレートに思っていることを口にします。子どもは、感性豊かで笑ったり泣いたり、怒ったりさまざまな感情が1日のなかで表れ、すべてに対して反応していると疲弊してしまいます。
そのため、「子どものことが好き」ということが、小学校支援員を続けていく上で大前提となります。子ども好きでない人は、小学校支援員の仕事はつとまらないといっても過言ではありません。
また、子どもは大人のことをよく見ています。仕事として割り切って子どもと接している場合、子どもはすぐに見抜きます。
子どもと接していく上で愛情を持って接することは大切ですが、愛情を全面に出してしまうと、子どもに舐められてしまうこともあります。子どもに対する愛情は胸に秘め、愛情を持ちながらも、毅然として子どもと接していく必要があります。
子ども・先生とのコミュニケーションが苦手ではない人
子どもとのコミュニケーションは、とても大切になります。子どもに心を開いてもらうためには、コミュニケーションは欠かせません。上手にできたときには誉めてあげる、できなかったときは励ましてあげるなど、適宜子どもに対して適切な声がけをしてあげることで、子どもの成長につながっていきます。
また、担任の先生とのコミュニケーションも大切です。担任の先生とコミュニケーションがしっかりと取れてよい関係性が築けると、お互い困った時や悩んでいる時にサポートし合うことができます。
物事を根気強く取り組める人
子どもはできないことに対して、一朝一夕にできるようにはなりません。できないという場面で、何度も挑戦を繰り返し、別の方法を試すなど何度か繰り返していくうちに、できるようになるということがあります。長いスパンで粘り強く子どもと向き合い、できたときには自分ごとのように子どもと一緒に喜ぶことができる人が小学校支援員に向いています。
まとめ
小学校支援員という仕事について、ここまで紹介してきました。小学校支援員の仕事は、子どもの成長を間近で見られるというのは大きなやりがいではありますが、一方で、肉体的にも精神的にも大きく負荷のかかる仕事でもあります。ただ、小学校支援員は、小学校の現場で必要とされている存在で、支援員が関わった子どもたちの将来に大きな影響を与えることができる存在でもあります。小学校支援員の仕事に興味のある方は、自分にその仕事が向いているのか、じっくりと考えた上で挑戦してみましょう。