スポーツビジネス

時代と共に変革を迫られたスキー場のビジネスモデルとは?

バブル経済期には、日本中でスキー場の開発が進み、空前のスキーブームが巻き起こりました。やがてバブル経済が崩壊し、開発された多くのリゾート地は窮地に陥りテーマパークやホテルで働く従業員を中心に多くの失業者が生まれることになります。

ここでは、ビジネスモデルの観点から、スキー場が時代と共にどのような変革を迫られたのかについて解説をしていきます。

スキー場経営は時代とともにどのような変革を遂げたか

スキー場経営は時代とともにどのような変革を遂げたか

*バブル期のスキー場経営の事情

バブル期では、リゾート開発を行う企業は潤沢な資金を持っており、さまざまなリゾート開発を手掛ける企業同士が熾烈な競争をしていました。

当時スキー場経営はドル箱ともいわれ、ホテルやロッジ、リフト、お土産屋さんまで多くの企業が市場に参入し、独立して経営をおこなっていました。

やがてバブル経済が崩壊し、スキー場をはじめとするリゾート開発は衰退の一途をたどっていきます。スキーブームもやがて去り、年々観光客も減っていき、リゾート開発をおこなっていた多くの企業が倒産や撤退を余儀なくされました。

*スキー場経営には戦略的なビジネスが求められる

スキー場経営には戦略的なビジネスが求められる

スキーブームが巻き起こった頃は、広告宣伝などをおこなわずとも集客が十分できていました。しかし、スキーブームが終わった現在において、如何にしてスキー場に来てもらうかということについて真剣に考える必要があります。

近年では、スキー場を経営するにあたって、戦略的な経営システムを導入する企業も増えています。全国各地にスキー場は点在していますが、立地や交通アクセス、雪質、コースといったものまで、それぞれのスキー場にはちがいがあり、特色があります。そして、それぞれのスキー場にマッチした集客方法というものが存在するのです。

一口にスキー場を一括りで考えるのではなく、それぞれのスキー場にはさまざまなコンテンツが存在します。

ファミリーに向けたスキー場なのか、それともプロ向けのスキー場なのか、ナイター営業をするのか、人工雪を使って夏季営業もするのか、料金はいくらで設定するのかなど、それぞれのスキー場ごとにコンセプトを策定し、どのようなビジネスモデルを構築して何をウリにするのかについて明確にすることで、他社との差別化を図ることが可能となります。

バブル期のスキーブームの頃のように、何もしなくても集客できる簡単な時代ではありません。スキーブームが過ぎ去ったいま、スキー場経営には戦略的なビジネスが求められています。

まとめ

ここまで、スキー場のビジネスモデルの変革について解説していきました。ブームは一過性のものであり、いつかは廃れていくものです。ブームが過ぎ去った後、いかにビジネスモデルを見直し、変革を遂げるのかということが大切になってきます。

時代の変化に伴ったスキー場のビジネスモデルの変革は、他のビジネスを考えるうえでも参考になるのではないでしょうか。