富裕層向け核シェルターの特徴を解説!購入費用や購入理由を確認しよう
近年大規模災害や国際情勢を踏まえて、富裕層向けの核シェルターが建設されています。地下で数年生活するためにプールや馬小屋など設備を備えた核シェルターも登場しています。今回は、富裕層向け核シェルターの特徴や購入費用を確認しましょう。
富裕層が核シェルターを購入する理由
日本は唯一の被爆国でありながら、海外に比べると核シェルターの普及が進んでいないのが現状です。ただ海外を見てみると、もっとも核シェルターの普及率が高いのはノルウェーで98%に及びます。
続いてアメリカは82%、ロシアは78%、イギリスは67%、シンガポールは54%となり、いざというときの避難場所として核シェルターを整備しています。そんな状況下で富裕層が核シェルターの購入を検討する人が増えている理由は、次のとおりです。
- 大規模災害に備えるため
- 近年の国際情勢を鑑みて
大規模災害に備えるため
地震や台風、火山噴火、洪水など大規模な自然災害の発生に備えて核シェルターの購入を検討する富裕層が増えています。たとえば2022年に発生した世界の自然災害を見ると、米国では1000年に1度といわれる豪雨が各地で発生しました。豪雨により40名弱が死亡したと報告されています。
メキシコでは、米国との国境に接する町で激しい雨による洪水が発生しました。子どもを含む3名が犠牲となったうえに、交通道路が塞がれたため物流にも影響が出ています。韓国では日本海を北上した台風11号が上陸し、都心部で冠水や浸水被害が起こりました。数千人が避難を強いられています。
近年の国際情勢を鑑みて
ロシアのウクライナ侵攻を受けて核攻撃の脅威に促され、一時的な避難場所として核シェルターの購入する富裕層が増えています。世界の終わりにどう備えるか、その問題に現実的に向き合う富裕層が増えていることがわかります。日本は、核保有国である中国や北朝鮮、ロシアに囲まれる島国です。近年の国際情勢を鑑みて、日本でも核シェルターの保有を検討する人が増える可能性があります。
富裕層向け核シェルターの特徴
富裕層向けに建設された豪華な核シェルターには、次のようなものが挙げられます。
- 高地の水源から離れた場所に立地している
- 軍事施設から離れた場所に配置されている
- シェルター外部はコンクリート製である
- セキュリティシステムを搭載している
- 施設内には基本的な医療品を完備している
- 停電を想定した電力を確保している
- エアフィルターを設置する施設がある
- 植物工場を備える核シェルターもある
高地の水源から離れた場所に立地している
洪水や豪雨、台風などの自然災害から身を守るために、富裕層向け核シェルターは高地の水源から離れた場所に建設されています。それらの核シェルターは水没しても長期間耐えられる構造で、自然災害が起きても施設内にいれば安全です。ただし、基本的に施設にいる間は密閉されており状況が収まるまで自由に出入りすることはできません。
軍事施設から離れた場所に配置されている
富裕層向けの核シェルターは、自宅の庭裏など身近な場所に建設されていません。もし核攻撃を受けたとき軍事施設が狙われるといわれているので、人里離れた遠い場所に建設されていることが多いです。米国で見ると国防総省のあるペンタゴンや各州の軍事施設から離れた場所が好まれています。核シェルターの場所は誰にも話さず秘密にしておきます。
シェルター外部はコンクリート製である
台風や豪雨のときに発生する爆風に耐えられるように、核シェルターの外部はコンクリートを剛鉄で包む構造が用いられていることが多いです。これは原子力発電所で採用されている構造と同じで、頑丈に造られています。コンクリートは分厚いため、ガスや水が入り込まないよう密閉されています。
また、ある核シェルターでは10kmほど距離が離れた爆発に耐えられるように設計されたものも少なくありません。壁の素材によっては、核攻撃や自然災害に耐えられない場合もあるので注意が必要です。さらに核シェルターに設置された扉は鉄製を採用しており、爆風でも飛ばされる心配はありません。
セキュリティシステムを搭載している
施設外からの脅威を監視するセキュリティシステムが搭載された核シェルターがあります。セキュリティシステムによって施設が監視されており、安心して生活することが可能です。万が一問題が発生したときは、特殊部隊仕様のトラックに乗り込んだトラックで核シェルター保有者を迎えに来てくれます。
施設内には基本的な医療品を完備している
長期間核シェルターで過ごすことも踏まえて、施設内には絆創膏や除菌シート、処方箋医薬品など医療品が完備されています。また核攻撃を受けたことを想定して放射性ヨウ素が体内に吸収されるのを防ぐヨウ化カリウムの錠剤を準備する人もいますが、すべてを防げるわけではありません。どのような医療品を購入すればわからない人に向けて、事前に用意してくれるサービスもあります。
停電を想定した電力を確保している
核攻撃や自然災害を想定して、核シェルターに電力を確保する施設があります。施設内に電力を確保するには、地下に発電機を設置しなければいけません。また、発電機を稼働させるための燃料も備蓄することが求められます。長期的に核シェルターで過ごすことになると電力は欠かせません。災害による停電に備えたいなら、発電機が設置された核シェルターを選ぶ必要があります。
エアフィルターを設置する施設がある
空気の汚染を防ぐためにエアフィルターを設置する核シェルターも多いです。たとえば、ある核シェルターには核・生物的・化学的汚染物質を除去できる空気浄化システムが搭載されています。核爆発後に発生する放射性物質や大気に放出される灰による汚染を防ぐことが可能です。
人は放射性物質を大量に浴びると、白血球の減少したり消化管に障害が起きたりなど急性放射線症を発症することもあります。特に長期間核シェルターで過ごした場合、十分に注意しなければいけません。比較的少ない量の放射性物質でも数日から数週間以内で発症することもあります。
植物工場を備える核シェルターもある
核シェルターのなかには、野菜を栽培できる植物工場を備える施設があります。水耕栽培の場合は照明器具が設置され、さまざまな野菜や植物を育てられるのが特徴です。また、野菜を育てるには定期的に水を与えなければいけません。核シェルターのなかには、地下の井戸からステンレス製のタンクに水を汲み上げられる設備が搭載されています。
富裕層向け核シェルターの費用
富裕層向けの核シェルターは、多くの設備が搭載されているので費用は高くなるのが特徴です。たとえば米国の場合は、1部屋あたり1億6,300万~5億4,400万円程度の費用がかかります。
ニュージーランドでは8億7,000万円に及ぶ事例もあり、オプションを追加すると費用が追加されます。高額な費用にもかかわらず、核シェルター購入の問い合わせが相次いでいるのが現状です。
まとめ
富裕層向けの核シェルターは、セキュリティシステムを搭載していたり停電を想定した電力を確保できたり、エアフィルターを設置していたりなど多くの機能や設備が備えられています。ただし、長期間核シェルターで過ごすことを踏まえて建築されているので、施設内では安心安全に過ごせます。